平成生まれが平成の終わりに色々考える

近代史を振り返るとかじゃなくて、漠然と思った事など。

アニメ・漫画VS表現規制(1181文字)

 5月の初めに新潟で女の子が電車に轢かれて死んだ。っと思いきやどうやら事故死に見せかけて殺人事件だったらしく、のちに23歳の男性会社員が逮捕された。どうもこの事件が起きる前にも女子中学生を連れまわしたりして逮捕歴があったりもする筋金入りの子供好きらしい。悪い意味で。そして厄介なことにアニメ・漫画も好きだということで、いつも通りの「アニメ・漫画悪影響論」が湧いて出てくること。

 この類の事件でもっとも有名なのが88・89年と昭和と平成を跨いだ、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件こと俗に言う「宮崎事件」であり、オタクバッシングの先駆けともいえる事件だ。この事件でも犯人の家の撮影時に大量にある雑誌の中からあえて成人雑誌を上にしたり、なんでもないビデオテープも成人向けのモノとして数をカウントしたりと印象操作の嵐だったらしい。

 26歳にもまってアニメ・漫画を卒業できていない自分が胸を張って言えることではないが、こういった印象操作は大変迷惑なことであり、そして「アニメ・漫画は悪である」といった考え方が流布されることは残念なことだ。当然だがアニメ・漫画もっと言えば映画も小説も含んだ「空想の物語」には何の罪もない。悪いのは影響を受けている犯人であることは間違いない。

 しかしだ、自分はいつもこの考え方を持ちつつ「そうかもなぁ」とも思ってしまう。もしアニメ・漫画が人になんにも影響を与えないモノだとしたら、もしアニメ・漫画から影響を受けないとしたら、おそらく自分はアニメ・漫画なんて見ていないと思うんだよね。「アニメ・漫画に悪影響なんてない!」と断言する人達に問いたい。それを見ることで笑ったり、泣いたり、興奮したり、ハッとさせられたり、エッチな気分になったりする訳で、それを「影響」と言わずして何だと言うのだ?実生活上での考え方を覆すような何気ないセリフや、確信めいたセリフに「影響」される様なことはないのだろうか?世界中の有名サッカー選手が「俺はキャプテン翼にあこがれてサッカー選手になったんだ!」という善の側面だけを「アニメ素晴らしい!漫画素晴らしい!」と謳いながら、事件だけは「ソンナワケナイジャン」っと知らん顔しているんじゃないだろうか?

 自分たち「オタク」に分類されている人種は「空想の物語」にある「薬と毒」の強さを本来自覚しているはずじゃないかの?トリカブトの様に人を助けることもあれば、あっけなく殺すこともある。自分も含め、不当なバッシングに反論している人達もたまたま薬的側面が強く効いただけの事でしかない。だけどその反対側にいたかもしれないって事は常に頭の片隅に入れていないといけない。

 確かに悪いのは悪影響を受けた側の問題であるけども「影響なんてない!」なんてことを、声高らかに言い切るウソつきを自分は許さない。あれ?表現規制の話を一切してないぞ…。(1181文字)