平成生まれが平成の終わりに色々考える

近代史を振り返るとかじゃなくて、漠然と思った事など。

「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」と「BALLAD 名もなき恋のうた」はどっちがリアル?(1120文字)

 アニメでも漫画でも実写化するとだいたい浦島太郎のカメの如くボッコボコに叩かれるけど、個人的には「それきっかけで原作見る人が増えるならそれでもいいじゃん」と思う。ちょっと古くなった漫画が売り場位置のいい所に平積みされることなんて、それくらいでしかチャンスないんだから。浦沢直樹の「20世紀少年」とか映画館でチラシを見て「何だこの面白そうな内容は!?」と思って映画が公開する前に全巻揃えたくらいだ。結果的に3部作の映画の感想は「うん、まぁまぁだったな」だったけども。そんな中でも「これは上手い事やったなぁ」と思う実写化映画の話を。

 

 クレヨンしんちゃんの映画のヒット作「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」と、その実写(原案)の「BALLAD 名もなき恋のうた」について。

 大雑把に説明すると、しんのすけ一家が戦国時代にタイムスリップして、そこで出会ったお侍さんと共に春日の国を守るために合戦に参加したりする話。

 BALLADも通過儀礼の如く実写化発表の時は物凄く叩かれた作品だが、単純な実写化じゃなくあくまでも「原案」って立ち位置で、春日の国の姫「春日廉」と城に仕える侍「井尻又兵衛由俊」の恋愛模様に視点を変えて作ったことで、ある意味別作品として楽しむことが出来る。もっとも、それは日本映画が好きで尚且つ恋愛ものが大丈夫な人に限るとは思うけど。

 自分はこの二つの作品でどうしても共通して語りたい好きなシーンがある。それはクライマックスで、圧倒的兵数の多い敵軍に囲まれてピンチになった春日の軍を自動車で助けに行くシーン。

 アニメ版の野原家の車はセダンとかコンパクトカーみたいなファミリーカーだが、実写版の川上家の車はパジェロみたいなオフロード車。これってどっちがリアルなんだろうか?アニメ版は30代サラリーマンがコンパクトカーに乗ってるのはリアルなんだけど、果たして一切整地がされていない戦国時代のデコボコな草原をあんなに颯爽と走れるもんなんだろうか?実写版のは「あんなごつい車を今どき家族で乗る車として買うか?」って感じはするが、デコボコ道を走るには一切間違っていない車選びだと思う。

 どっちもカッコいいシーンだから好きなんだけども、同じシーンでもアニメと実写でどっちのウソを取るのか、そしてリアルに見せる部分はどこなのか。なんか映像の見せ方の違いが見えてくるのでとても好きです。あと実写版の設定として、お父さんが写真家だから自分にも何かできないかと思って、出陣する前日の夜にみんなの写真を撮ってあげてプレゼントするシーンが好きです。

 

 もしよければそういった原作との違いも楽しむつもりで「BALLAD 名もなき恋のうた」を一度観てもらいたいなぁ。(1120文字)