平成生まれが平成の終わりに色々考える

近代史を振り返るとかじゃなくて、漠然と思った事など。

「コミケ」ってどうよ?(2561文字)

 「平成最後」ってキャッチフレーズに思わず飛びついてしまい、絵も漫画も描けないのに勢いでコミックマーケット95に申し込んだら、運営から「参加を許可する。3日目東ラ51bの場所を託す」と言われてしまいました。9月頃からちまちまと作業を始めて、なんだかんだで12月の中旬で完成させて印刷所に提出する事ができました。プロ漫画家や経験豊富なアマチュア参加者でも原稿落とす人がいるなか、初参加で余裕もって完成できた事は、少し誇りたい。誇っていいよね?

 しかし3カ月一生懸命やったかと言われると残念ながらそうではなく、当初の予定では、9・10月は下書きと絵の練習で11月中で完成させようと計画していた。しかし思ったより内容が思いつかないし、練習もほぼしない日々。11月に入った段階で夏休みの宿題の如く終盤に慌てる始末。昔、文学フリマで本を出してた事もあったがその時から終盤に慌てるのは変わっていないですね。今後も本を作る事があるかは分からないが、きっと未来でも慌てているのでしょうね。

 そんでもって完成した本を頒布するわけだが、毎度の事ながら自分は印刷所から完成した本が届いた段階で9割がた満足してしまい、あんまり「よし、売っちゃうぞ!」って気分にならない。しかしながら「見てもらいたい」って気持ちがないと言えばウソになので、とりあえずPixiv・Twitterで宣伝はしっかりとする。Pixivでの宣伝は数ページ載せるだけだが、Twitterでの宣伝はある程度ずる賢く行っていたりもする。

 ページ全体を載せない様にする。そもそも絵も漫画も描けないので全体を載せると酷さがより際立ってしまう。個人的に好きなコマや上手くいったコマだけを載せて、そのコマに合わせたコメントや煽り文句を書く。そうする事で見た人が、絵が酷い事は隠し切れないが「何故このキャラはこんな顔してるんだ?」とか「なんでこのキャラの組み合わせなんだ?」と興味を引き付ける効果が出てくるんじゃないかと。言い方は悪いけど「パッケージで騙す」って事が出来るんじゃないかと。

 その効果があったのかは分からないが、自分よりも何億倍も絵が上手く人気のある参加者さん達が宣伝をリツイートしてくれたりしました。中には「興味があるから買いに行くよ」と言ってくれる参加者さんまで。本当にありがたい事であり、これこそが同人活動の素晴らしさというか、決して「絵の上手さ」だけでは測りきれないのが同人活動なんだなぁと。

 

 初めて同人誌を作って文学フリマに出た時の目標は「1時間1冊。イベントの6時間で合計6冊頒布出来たら御の字」だったので初参加のコミケでもこの目標で挑む。ほとんど暇な時間を過ごすと思っていたので、資格試験の勉強を6時間するつもりでいました。開始直後からテキストを読んでいると開始15分でまさかの手に取る人が来たじゃありませんか。しかもパラパラと見本誌を見た上で買っていったではありませんか。「何故こんな本を?」という疑問と「ありがとうございます!!」と思っていると、それから5分もしないうちにまた買っていく人が来たじゃありませんか。「これは案外あっさりとノルマの6冊は達成できるかも」なんて事を思いながら資格試験の勉強をする事に。

 結果から言いますと今回出した新刊が売れたのは5冊。プラス過去に文学フリマで出した2種類の本が各1冊の合計7冊。新刊で5冊の内訳は通りすがりの人で3冊。事前の宣伝ツイートを見て買いに来てくれた人の1冊。自分の隣のサークルさんで1冊の計5冊。自分はサークル参加したらなるべく両サイドのサークルからイベント終わり15分くらい前に新刊が余っていたら買うようにしているので、ある意味交換みたいなもんなので純粋に「売れた!」って感じの1冊ではないんですけどね。

 売れただけでも大変ありがたい話ではあるが、やはり新刊を6冊頒布するのがノルマだったので残念な結果ではあったかと。勉強なんてしない真面目に頒布しろよって話なんですけどね笑。

 

 最近注目された発言に、自分と同じコミケ初参加で全然売れなかった人の嘆きがまとめられていたが、その人から見ると自分なんかは成功者に見えるんだろうか。その人がどんな本を出して、そして売れなかったのかはあまりよく判らないが、「エロしか売れない」は違うと思うんだ。だって同じ条件でサークル参加した自分が3カ月(いや実質1ヶ月?)何とかしてボールペンでA5のコピー用紙に自分が面白いと思うものを殴り描きして本にしたら、売れると思っていなかった本が少なくとも4冊(隣からの1冊は抜いて)は売れたもん。こういう言い方をするとまるで「お前は努力していなかっただけだ」って言ってる様に聞こえるかもしれない。そうじゃない自分が言いたいのは「君が『面白いと思う本』を作ったのかい?ただ『売れる事だけを考えた本』を作ったんじゃないのか?」って事です。

イベントにおける、みんなに見てもらいたいはイコール「売れる」って事だから「売れるような本にする為にはどうしたらいいか」を考えるのは悪いわけじゃないがそこが第1になってはダメで、きっとそういう本って「プロ参加者」には一発で見抜かれてるんだと思う。

  別に本に限らず動画でもイラストでもいいんだけど、作者はナルシストであるべきだと思うし、自分の作品の一番のファンは自分であるべきだと思うんです。今回の本を読み返して、やっぱり絵は酷いし展開も適当だし「ひでぇ本だなぁ」とも思うけど、でも「いや、そんなに悪い本じゃない」と思ってしまう。なんだかんだで好きなんだよね、自分の本が。

 

 ここまで書いておきながら「一体お前はどんな本を描いたんだい?」って思うかもしれない。自分はアイドルマスターシャイニーカラーズってゲームの二次創作同人誌を出しました。長々と同人活動に関して語っておきながら、結局アイドルマスターなんて人気シリーズで二次創作して数冊売れたって…。ゴロやイナゴと変わらない可能性あり…?
 Pixivで前書き・後書きを抜いた、漫画部分だけを全部公開してるので興味のある人は見てって下さいな。(2561文字)

【アイドルマスターシャイニーカラーズ】「283な日々(C95で頒布した本)」/「伊藤P」のイラスト [pixiv]